ひろのの栞

【定住促進団地(宅地分譲)受付中!】住み続けたいまちを目指して

洋野町では、まちの人も外から来た人も「住み続けたい」と思えるようなまちを目指し、これまでにも様々な事業を展開してきました。そしてついに今年度、十数年前から温めていた計画である「かどのはま定住促進団地」の宅地分譲を開始しました。この事業は、若い世代や子育て世代の方々を対象の中心とし、宅地を分譲するものです。今回は、この事業のあらましを簡単にお伝えしながら、兼ねてより計画されていたこの事業の実現に向けて、熱を注いできた洋野町役場企画課・高橋勝利さんにお話を伺います。


かどのはま定住促進団地のあらまし

残り19区画は、2021年11月5日時点の情報

かどのはま定住促進団地事業とはどのようなものなのでしょうか。高橋さんからのお話や、公開されている情報を整理するとこの6点のポイントが浮かびあがってきます。申し込み条件などの詳細な情報については、洋野町のウェブサイトやフライヤーに詳しく記載されていますが、子育て世代や若い世代をはじめとするより多くの方々が応募できるよう、厳しい応募条件もなく、また、移住・定住後の支援も充実しています。そんな中でも、今回、特にまちをあげて力を入れているのは、子育て世代や若者世代を応援する支援制度。現在の居住地や年齢、お子様の人数などによって分譲地の価格は異なりますが、例えば、50歳未満で18歳未満の子どもが二人いる4人家族が町外から転入の場合は1区画20万円での分譲になります。居を構えるというのは、人生の中でも大きな決断。「洋野町に住みたいと思ってくれている人々には、精一杯のサポートをしたい!」という役場の担当者らの思いは、多くの支援制度にも反映されています。

 

さて、ここまでは、事業のあらましの説明でしたが、高橋さんが、若い人や子育て世代へのサポートに力を入れたいと思うようになるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

 

住み始めやすく、住み続けられるように

高橋さん:「子育て世代っていうのは、色々とお金がかかる期間ですよね。それに、住宅を建てるっていうのは一生ものなので、幾らかでもサポートをしたいです。後から補助金や助成金を支給するっていうやり方もありますが、それだと軍資金は最初に用意しなきゃいけない。だから、今回は割引っていうやり方にして、そういう面では検討してくれる方にとってハードルの低いやり方にしました」

条件によっては1区画20万円程度という破格で土地を購入できる計算ですが、このような金額でもまちの事業としては成立するのでしょうか。

高橋さん:「まちっていうのは、住んでくれるみなさんがいてこそなんですよね。今回の政策は、土地を売って儲けようという趣旨はなくて、ここで暮らしたいと思ってくれる人が定住しやすくするためなのでね」

住み始めるためのハードルを下げるのがこの破格での宅地分譲ですが、「住み続けられる」と言う面では、転入後3年間の補助金の支給や子どもの医療費免除、また、新たに起業しようとする方への支援金の支給など、多くの政策が打ち立てられています。「同じような政策をやっているところには負けられないな」と言うプレッシャーを常々感じながら、事業に取り組んできた高橋さん。これには、洋野町や日本の過疎地域が抱えている課題が背景にあります。

いわゆる過疎地域では、少子高齢化や人口減少に端を発する多くの課題が叫ばれ始めて久しいですが、洋野町もそのひとつ。このような課題に立ち向かうため、これまでにも、地域おこし協力隊制度や移住定住に関わる各種支援金制度、関係人口創出事業の導入や展開を精力的に行なってきました。「定住」というと、まちの外から来る人向けの事業のように聞こえてしまうかもしれませんが、「洋野町在住者にも今回の事業を知って欲しい」と高橋さんは話します。と言うのも、家を建てたい町民が土地を探していても見つけることができず、近隣の自治体に転出してしまうケースをこれまでに何度も見てきて、もどかしい思いを抱え続けていたからです。そんな中でいよいよ着手することになったのが今回の事業でした。

 

このまちにも住み続けられる場所を

定住促進団地の構想自体は10年以上前からありましたが、具体的に動き始めたのは元号が令和に変わってからのこと。町の公共事業として宅地の分譲を行うことは今回が初めてだったため、全てがゼロからのスタートでした。そこで宅地分譲の先行事例を探していくと、近隣自治体の成功事例に出会いました。

高橋さん:「青森県の南部町と言う場所なのですが、いわゆるベッドタウン的な構想を持っていたり、若者世代を取り込もうとしたりしている部分で洋野町と同じだなと思ったんですよね。それで、実際に行ってみると、コマーシャルの仕方がすごい上手だなと思って。事業に対する職員の取り組み方も非常に勉強になりました」

青森県・南部町の事例を研究しながら、徐々に具体化していく事業。移住定住に対する取り組みを行う自治体は全国的にも増えつつありますが、このような規模や価格、サポート、売り出し方をする自治体は、まだまだ少ないのではないでしょうか。

高橋さん:「そうですね。国の補助金を使っている事業なので、国からも「一気に30区画ですか?勝算はあるんですか?」みたいなことは聞かれたし、「まずは、10区画くらいから始めたらどうですか?」と言う提案もされました。でも、付け足し付け足しでは工事費もかさみますし、場所としての魅力を創出して住みたいと思ってもらえる場所にするには、一度に30区画やるしかないなと思っていました。それに、南部町のような同じような地域、同じような状況で成功を収めている自治体を知り、『じゃあ洋野町でも、自分の町でもできるはずだ!』って思ったんです」

高橋さんにとっては、自身が生まれ育った大切なふるさとでもある洋野町。そして、これまでにも移住定住や関係人口創出事業に関わってきた高橋さんだからこそ、愛と熱意を持ってこの事業を推し進められてきたに違いありません。

最初の募集から7ヶ月が過ぎた現在、町内外の夫婦やお子さまのいる世帯からの申し込みで1/3程度の区画が予約済みとなりました。季節がまわる頃には新しい家々が立ち並び、高原を背に海の広がるこのまちに新しい賑わいが生まれることになります。少しずつ形が見えてきた「かどのはま定住促進団地」、この場所から始まる明るい未来が待ち遠しいです。

 

高橋 勝利(たかはし かつとし)
1974年生まれ。洋野町中野地区出身。高校卒業後の1993年種市町役場(現:洋野町役場)入庁。
建設課、総務課、教育委員会等を経て、現在は、企画課企画政策係長として移住定住や関係人口創出事業に携わる。
全日本野球協会アマチュア野球公認国際審判員の資格も持ち、休日は各地の大会を飛び回る日々。

 

【宅地分譲予約受付中!】かどのはま定住促進団地の宅地分譲先行予約の受付について(洋野町HP)
http://www.town.hirono.iwate.jp/docs/2021031800016/
本募集に興味のある方は、まずは洋野町企画課(0194-65-5912)までご連絡ください。
現地の案内やオンラインでの相談も可能です!

(2021/9/16 取材 11/5 最終校正 小向光、写真 大原圭太郎)